『50周年記念誌』編集委員
郡山コスモス通り教会(福島) 蛭川 潤子(ひるかわ・じゅんこ)
「年表」は、全国の女性たちとつながり「世界伝道」を使命にさまざまな活動を広げてきた女性連合の50年の歩みを記録しています。そしてその記録から、私たちが目指してきた「世界伝道」がどのようなものであったのかを知り、また思いを馳せることができるのではないでしょうか。年表のマス目には記しきれない、たくさんの出会い、つながり、そして協働がありました。その協働によって豊かに進められてきた活動の一つひとつでした。
宣教師派遣、IMV派遣を支える歩みは、女性連合に派遣国の方がたとの豊かな交流を生み出し、ブラジル、インドネシア、タイ、シンガポール、カンボジア、そしてルワンダ、ネパール、中国と、共に福音を分かち合い、その恵みにあずかる経験をさせていただきました。働き人からは生き生きとした宣教の様子を伝えていただきました。それは、会員一人ひとりも自分の置かれている場で、教会で、同じ主を見上げつつ「世界伝道」に参与している喜びとつながっていきました。
IMV:国際ミッション・ボランティア
パートナーシップ伝道やアジアフィールド伝道の実施も宣教師やIMVの働き、そしてABWUやBWA女性部とのつながりから、その多くが導かれていきました。また、日本バプテスト同盟や沖縄バプテスト連盟からタイやネパールに派遣されていた宣教師の温かな協力もありました。50年間、たくさんのつなぐ働きを担い、かけ橋となってくださった方がたがおられたのです。三バプテスト女性会との協力、交流も、2003年度に沖縄で開催されたABWU大会を機にさらに豊かに進められました。アジアへの侵略の歴史、国内外のさまざまな課題に向き合い取り組むための学習ツアーも実施されていきました。そこには平和の実現を祈り、共に励む仲間がいたからこそ継続できたのだと思います。2005年度の香港でのパートナーシップ伝道は、香港バプテスト連盟から日本へ派遣されていた女性宣教師の協力の中で行われました。
ABWU:アジアバプテスト女性連合
BWA:世界バプテスト連盟
また、日本バプテスト連盟が1995年に全米南部バプテスト日本語教会連盟と宣教協約を締結した翌年に、女性連合はパートナーシップ伝道で四つの日本語教会をお訪ねしてさまざまな集会に参加し、共に主を賛美し、励まし合いの時を持つことができました。女性連合独自で支援する活動や働き人との交流も続けられました。インド「プリ子どもの家」(※)支援は1986年度から始まりましたが男の子のみの受け入れでした。女性連合では「ぜひ、女の子に安心した生活の場と教育の機会を」と祈り、支援を続け、遂に1998年度に女の子も受け入れることができるようになった時には訪問して喜び合いました。
国内でのパートナーシップ伝道は1985年度から活発に行われ、また、『世の光』キャラバンなども諸教会・伝道所や地方連合との協力の中でなされていきました。
13地方連合の実行委員は、発足当初から女性連合活動の大切なつなぐ働きを担ってくださっています。2001年までは米国南部バプテスト連盟派遣の女性宣教師が協力幹事、役員、実行委員として、また全国小羊会キャンプのスタッフとしても活躍してくださいました。
2002年11月に女性連合は「女性牧師を認めない」という信仰宣言をした米国南部バプテスト連盟に書簡を送りました。「後継者育成」に励み、「誰もが神さまからの召しと賜物により、自由に神さまの働きに仕えていけますように」との篤い祈りからでした。世界に福音を証し、主の愛を分かち合い、「わたしたちは神の同労者」として共に導かれてきたことを感謝します。
「わたしの魂よ、主をたたえよ。主の御計らいを何ひとつ忘れてはならない」(詩編103・2)
※2016年に国内政情により全寮制は閉鎖。翌年、新たに通学制の「プリ・キンダーガルテンスクール」として開設され、現在に至る。