時代の転換点

時代の転換点に立って 2024年7月号

〜これからの女性連合〜
「女性連合」存在意義・私の思い

「これからの女性連合」検討チームメンバー
泉 美智子(いずみ・みちこ/古賀教会)

 

「これからの女性連合」についての検討チームを立ち上げ、2年が過ぎました。
自他の違いを尊重し互いに聴き合う「対話」によって、メンバーが自由に発言できる雰囲気と、そのプロセスを大切にしながら共に方向性を見出していくこれまでの歩みだったと思います。
話し合っていく課題は、組織・財政・世界伝道・規約など盛り沢山ですが、まずは、これらすべてをもって存在する「女性連合の存在意義」を「今」改めて問うことが求められています。3月の「女性連合・私たちのひろば」では問いとして「世界バプテスト祈祷週間(以下、世界祈祷週間)のない女性連合ってどうなんだろう?」という投げかけから対話を深め、これまでの世界祈祷週間を通して女性たちがいかにその意義を感じてきたかがうかがえました(『世の光』5・6月号記載)。

そもそも、女性連合の結成は1800年代のロティ・ムーンの中国伝道まで遡ります。当時の米国南部バプテスト連盟の国外伝道への意識の低さと「男尊女卑」の世の中で、ロティの訴えに直接動き出したのは米国の数ヵ所の教会の女性たちでした。そのために組織を作り「米国南部バプテスト女性宣教同盟(WMU)」が結成されたことからの始まりです。
それから宣教師を通して私たちのところにも伝えられ、女性連合(婦人連合)が結成され、連盟の世界伝道の働きのために世界祈祷週間を設け推進してきました。つまり、初めから女性連合(婦人連合)の目的(存在意義)は「世界伝道」だったのです。しかし、「今」振り返ってみると、そのあり方には、1800年代以来、構造的にジェンダーに基づく不平等を抱えたままだったことに、女性連合も連盟も気づかされます。もちろん時代の限界性もありますが、こんなにも長くジェンダーに基づく不平等のままだった、それが当然、当たり前として何の疑問も持たず続けられてきたことに私自身はショックを受けました。それは、日常の生活や教会の中で、また社会の中でも、構造的な不平等がまかり通っているのではないかと思ったからです。ジェンダーに関しての自分の意識の低さを痛感しながら、これからの私たち女性連合(独自)の存在意義とは…と考えた時に、女性連合という女性(女性と自認する)が集まりつながっていく意義は、これからの世代につなげていくことも含めて、ここにあるのではないかと思いました。「共に生きていくためのジェンダー平等」を目指し、女性たちのエンパワーメントにつながる組織として、これからも女性連合の存在は、重要になってくるのではないでしょうか。

これからの世界祈祷週間のあり方はこれまで通りではなく、連盟と女性連合が対等に協働していくために、この時代に求められている「国際宣教」へと移行していく中で当然変わっていくでしょう。それでもなお、私たちが身近に世界を覚え、共に生きていくということは変わることはないのではないでしょうか。

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