『世の光』編集委員
花小金井教会(東京)
臼井 愛子(うすい ・あいこ)
女性連合と言えば! 大切な沖縄と『世の光』について、記念誌からご紹介します。
■おきなわの地から
岡田富美子
日本バプテスト連盟は戦後の1955年に、米軍支配下にあった沖縄に宣教師を派遣しました。政府の政策に追随し、「国外」と位置付けたことが沖縄の歴史に対する認識の欠如によるものであり、沖縄の人びとの心を踏みにじるものであったことを総括し、悔い改めました(1998年・日本バプテスト連盟総会、女性連合・2004年)。
…沖縄に住み始めた頃、出会ったT牧師に移住理由を言いますと、「国外とみなして宣教師を送ったことを悔い改めるなら、1946年第4回日本基督教団総会で、『日本基督教団教規』の修正可決が行われ、日本基督教団南九州教区から『沖縄支教区』の存在を消す、との決議は悔い改めないのですか。この時には、日本バプテスト連盟も日本基督教団にいたはずです」と問われました。また続けて「沖縄はあなた方に開拓してもらわなければならないほど、未開ですか」という問いも投げかけられました。
わたしたちの「悔い改め」と現実の齟齬(そご)。78年前の沖縄地上戦の犠牲となった方がたの遺骨を含んだ土砂を、辺野古につくられる新基地の埋め立てに用いられることが目前に迫っています。
…今も、県民総所得が最下位の原因。戦後、米軍による基地優先政策ゆえに、県民の福祉、教育、政治、経済はなおざり。「復帰」以後の日本政府による補助金政策などのしわ寄せが今、若年層の貧困につながっている等々、と…沖縄の大学生によるゼミの発表に対して、他都道府県出身である沖縄県民の自分として、応答の必要性を迫られました。
(那覇新都心教会)
辺野古訪問の様子(大浦湾側のテント村にて)
■女性連合50年と『世の光』
鮫島 泰子
…『世の光』の創刊は古く、1948年9月に遡(さかのぼ)ります。「第一号の内容は、婦人会、女子青年会のプログラム資料と発会の通信が主であった」とのこと。…
連盟の世界伝道についても、世界祈祷献金の推進母体でありながら、宣教師派遣にはまったく関与できないという現実と向き合うこととなり、女性信徒たちは自分たちのアイデンティティを問い直さざるを得なくなり、結果的にたくさんの不条理な課題を見出すに至ったのです。…『世の光』の企画も、個人の信仰の成長に資するものから、「小さくされた人たち」にフォーカスするものへと少しずつシフトチェンジしていきました。社会の矛盾や抑圧や差別、虐待やいじめ、また高齢者、障がいを持つ人、性的マイノリティ…。意識をもって、小さくされた側の視点で見つめなければやり過ごしてしまいそうなテーマや重くて硬くて敬遠されがちなテーマを取り上げては問題提起を行ってきました。…
そのような中、2017年12月号の『世の光』に、近年経験したことのないような反響がありました。… 『世の光』が、それほどたくさんの読者の心を揺さぶったのでした。編集実務を担ってくださる方がたには重荷を負わせましたが、新しい聖書解釈を通して今までになかった発想転換の種をたくさんの読者の心に蒔いたのではなかったでしょうか。
(神戸伊川教会)
これまでも、これからも歴史を刻む『世の光』。