女性連合幹事 米本 裕見子(よねもと・ゆみこ)
毎朝、楽しみにしてきたNHK連続テレビ小説『虎に翼』が9月末で終わりました。脚本家の吉田恵里香さんの言葉からです。「…社会に存在するのに『いないこと』にされ、透明化されてきたマイノリティの人たちや差別されてきた人たちを、その割合も含めてきちんと登場させようと考えました。…このドラマは法律がテーマだから、ド直球で人権や平等や社会問題について書ける貴重なチャンスだと思ったんです。マジョリティでいる以上必ず誰かを傷つける。ゆえにマジョリティ側が社会を変えなくてはならない。…このドラマで、かつて当たり前とされてきたことに『はて?』と立ち止まったり、力や勇気を得た人は本当に多いと思う」(NHK『クローズアップ現代』、2024.9.25)。
私も泣き笑い、「はて?」と考えさせられ、勇気と希望をいただいた一人でした。それは物語の100年前の女性たちの生きづらさと主人公の言葉に、深く共感したからです。少しずつ変わりつつあるものの空気のように浸み込んでいる「当たり前」な差別による不平等が、社会(教会)・日常の中に仕組みとして連綿と続いていることをあらためて感じます。皆さんの経験や生活の中ではいかがでしょうか。
『虎に翼』が終了した翌週の10月1日(火)、日本バプテスト連盟の理事会の中で「日本バプテスト女性連合とのこれからの協働のために~性差別に基づく構造的課題に対する理事会表明」(以下、理事会表明)が、吉田真司連盟理事長から加藤泉女性連合会長に手渡されました(*)。連盟と女性連合の団体間で、存在していた性差別に基づく構造的課題について認識し、無自覚であったことを悔い改め、謝罪の言葉が連盟より表されたことは歴史的に大変大きな意味があり、これからの対等な協働に向けての一歩になるものと信じます。この「理事会表明」が言葉だけに留まるのではなく、マジョリティかつマイノリティである私たちが、日々さらに人権、平等へ意識を向け、出会いと交わりの中で、学び、気づき、開かれ、変わり続けていけますように。そして、イエスさまに倣う群れとして、この時代と社会の中でどのように立ち歩むのか、私たちのビジョンとミッションを根拠として、世界伝道の活動を含め、選び取っていきたいと願います。
*内容は来月号に掲載予定です。これまでの構造的課題(不平等)とは具体的には何だったのかは、ぜひ『女性連合50周年記念誌』をご参照ください。