50周年誌

女性連合の『50周年記念誌』出ました!⑨ 2024年12月号

女性連合 幹事 東京北教会(東京)協力牧師
米本裕見子(よねもと・ゆみこ)

 

「今、『世界バプテスト祈祷週間』から考える女性連合の『自主自立』と連盟との『協働』」と題して記念誌に寄稿させていただきました。なぜ女性連合が「世界伝道」を使命とし、具体的に「世界祈祷週間」の働きを担い続けることになったのか。「自主自立」とはどういうことか。学びや自らの経験を通して、連盟との関係性を問い直し続けてきました。「理事会表明」(本誌9~11頁)について理解する一助になればとも願っています。ぜひ、記念誌を手に取ってお読みくだされば感謝です。
◆「世界伝道」への参与とは

女性連合は「世界伝道」を使命とし、その具体的な活動として「世界祈祷週間献金」を推進し、祈りと献金を集め、連盟にささげてきました。もちろん女性以外の方がたからも献金はささげられていますが、推進は女性連合・女性会が中心に担ってきました。

連盟はその献金をもって、「連盟派遣」宣教師たちを支え、派遣を実施し、人事を含め国外伝道に関わる活動と予算執行の決定権を持ってきました。しかし、女性連合は「法人格を持たないため派遣の主体ではない」という理由から、施策決定の過程と決定権はあたえられてきませんでした。

近年、 「世界祈祷週間」の献金額が目標額(連盟国外では予算)に及ばず、連盟の補正予算が大幅に修正する必要が生じ、連盟の総会議場において、しばしば女性連合は質問の対象になりました。連盟総会は女性連合とは別団体の総会でありながら、男性多数という空間の中で、私は毎年、冷や汗をかきながら答弁しました。その一連の事柄は、毎年の恒例の景色になっていたように思います。ある年、議場での代議員からの厳しい発言について疑問を感じ、連盟宣教部と理事会に抗議をしました。その時は取り扱われず、その応答のなさに無意識の「ジェンダー差別」が流れていると感じ、時間がたつほどに「おかしい」という思いが募りました。時間はかかりましたが、宣教部から謝罪が、また翌年の連盟総会の中で理事長より謝罪がありました。

「連盟の国外伝道の施策決定」について、女性連合は「部外者」と線引きをされていることは、連盟の良き協力者として献金活動を祈り進めてきた女性たちが軽んじられているように思いました。この構造が続くと、女性たちは連盟の後方支援者であり、不平等な役割分担の中に置かれ、私自身がこのジェンダーに基づく不平等を後押ししているのではないかと感じ、苦しさを覚えました。

◆女性会のこれから

(中略)…これまで述べたように、この社会では、家族主義を軸とするジェンダーに基づく不平等は、構造的にも個人レベルでも存在しています。数の上では多数派・マジョリティでも、立場としては少数派・マイノリティと言える女性たちは、生きづらさを抱えていると言える状況にあるのではないでしょうか。安心して言葉を交わし合い、励まし合う場、共にジェンダーについての気づきを広げ、痛みに共感する思いをもって、連帯していくことを願います。

これまでのような「女性連合=世界伝道」という強いイメージから、これからは、緩やかなつながりの中で、すべての世代の女性を含む小さくされている者たちが励まされ、自分らしく「いのち」を輝かせ、助け合い、共に生きる「平和」な世界を作り出す存在になることができればと願います。そして、これまでのバプテスト女性たちのジェンダー課題への取り組みに学びつつ、これからもさまざまな立場を超えて、女性たちがつながり、女性を含め、マイノリティの立場にある抑圧された人びとのすべての「いのち」が尊ばれる、 「平和」な世界に一歩でも近づければと願い、 「機構改革」に取り組みたいと思います。

 

記念誌のお問い合わせは女性連合まで

error: この記事は保護されています