悔い改めから離れずに
女性連合会長 吉髙 路 (よしたか・みち/市川八幡教会)
「犠牲者一人一人と向き合うことで、戦争の愚かさを改めて考えてほしい」(※)。沖縄平和祈念公園の「平和の礎(いしじ)」には、国籍や軍人、民間人の区別なく沖縄戦で命を失った方がたの生きた証として名前が刻まれています。
6月23日、女性連合が「沖縄(命どぅ宝)の日」としているこの日までの12日間、1500名以上の有志により、今年追加刻銘された55名も合わせ241,686名全員の名前の読み上げがオンラインで行われました。
沖縄戦の犠牲者には、朝鮮から強制連行され、徴兵、徴用、また日本軍「慰安婦」にされた女性たちもいます。その数は一万人余りと言われていますが、現時点で礎に刻銘されているのは四六四名、とほんの一握りです。読み上げ当日、読み手によってその一人ひとりの名前をその方の人生を愛おしむようにハングルで読み上げられました。戦死、また日本軍による虐殺などで命を奪われた人びとも数知れないという事実。「あなたを忘れない」「二度と同じ過ちは繰り返さない」名前を読み上げる読み手の思いと決意に、何度も「アーメン」と祈りをあわせました。
私たちは、沖縄戦の実相を学ぶ時、この「加害」の歴史も忘れてはならないと思います。そして、悔い改めから決して離れず歩む私たちとしてください、と願い祈り続けます。
※「沖縄『平和の礎』名前を読み上げる実行委員会」のコメント。(『東京新聞』2022.6.11夕刊1面)