沖縄

沖縄 –知る・祈る・共有する– 2025年6月号 

執筆者
長尾 基詩
所属教会
姪浜教会[福岡]

「平和の学び合い」に参加して

長尾 基詩(ながお・きし)
姪浜教会[福岡]

 

主のみ名を賛美します。西南学院大学大学院神学研究科修士課程1年の長尾基詩です。このたび、沖縄で行われた沖縄エキュメニカル平和センター主催「平和の学び合い」(2025年2月24~27日)に参加しましたのでご報告いたします。日本基督教団佐敷(さじき) 教会牧師金井創(かない・はじめ) 先生にリード、講師をしていただきながら、フィールドワークを中心に沖縄の置かれている現状、歴史を見ていきました。

初日は大浦湾 、読谷村(よみたんそん)、嘉手納(かでな)基地、嘉数(かかず) 高台(普天間[ふてんま]基地)を回りました。金井先生は長年、沖縄で基地建設抗議を始めとした平和活動に従事しておられます。SNSにおいて全世界公開でその内容を知ることができますし、具体的な写真も見ることができますので是非ご覧ください。先生のそのようなご経験を土台にしながら豊かな学びをすることができました。

まず、金井先生が船長として活動されている水上行動グループの抗議活動場所を見る機会が与えられました。そこには轟音を鳴り響かせる作業船、海に落ちていく大量の土砂、そしてそれを取り囲む無数の監視船という異様な光景が広がっています。監視船には沖縄の漁師の方がたが実際に乗っており、一日あたりの沖縄でもらえる給与の平均を大きく上回った額が支給されるそうです。そのようにして国が沖縄の人の分断を煽(あお) り、正当な声を上げる力さえ奪おうとしている現状があります。かつて私は沖縄に行ったことがありましたが、その時から工事現場を警備する会社が変わり、より軍隊的な仕草をする無感情の警備員が配置されていたのも恐怖を覚える光景として印象的でした。

また別の日には平和祈念公園、平和の礎(いしじ) 、魂魄(こんぱく) の塔、山城(やまぐすく) 海岸、対馬丸(つしままる)記念館を巡りました。沖縄戦でのことを振り返りながら、歴史と現在とのつながりを学びます。戦争での爪痕(つめあと) を過去のもの、沖縄のものとせず、正面から見つめていくところに、人と人とが繋がっていくことのできる可能性が残されているのだと思います。魂魄の塔では、戦争犠牲者を英雄のように称える碑があるのも事実ですが、戦争がもたらす死はもっと無意味で悲惨なものであったことは歴史が証明するところであると実感させられました。

プログラムを通して、今回は「クッション」という民宿に宿泊させていただきました。そこには平和運動などに関わりのあるさまざまな人も一緒に宿泊をしており、とても刺激的な交流を持つことができました。韓国や、台湾の方がたと実際に話しながら平和を学び合えたのは何にも代えがたい経験でした。

追記:2025年5月号同コーナーにおいて岡田富美子さんが参加されたツアーは沖縄から宣教を考える会主催の「沖縄フィールドツアー2024」(2025.3.3~5、宮古島)でした。

 

祈り便  第67信

一年を通しての祈り
  • 沖縄をはじめ、世界中の一人ひとりの存在が大切にされる平和を祈り続けていくことができますように。
  • 沖縄に立てられている教会の宣教の業をおぼえて。
時々刻々の祈り
  • 辺野古の埋め立て工事が止まりません。神さまが私たちの祈りを聞き届けてくださると信じ、ともに祈り続けましょう。
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