世界とそこに満ちているものは、主のもの
別府国際教会(大分)鄭 子元(ジョン・ジャウォン)
2025年3月、別府で開かれたNCC(日本キリスト教協議会)女性委員会世界祈祷日のテーマは「わたしたちはおそろしいほどに、すばらしく造られています」でした。クック諸島の女性たちが詩編139編をモチーフにこのテーマでプログラムを作ってくださいました。初めて聞く国でしたが、そこにも同じ聖書を読み、同じく天地をお創りになった神さまを驚きをもって賛美し、信じている人がいると知り、嬉しくなりました。
私は、何年か前にテレビで「人体」シリーズを見て以来、神さまが人に(動物や植物も)命を与えていることに畏敬の念を持つようになっていました。拳(こぶし)ほどの小さい器官の腎臓がどれほど精密な働きをして命にかかわっているのかを知りました。バナナ一本に入っているカリウムは体に必要な大事な栄養素ですが、もし腎臓が正常に働かなければ(必要な微量のカリウムを血液に入れて、必要ない分を尿として外に出さなければ)致死量にもなりうる、というのです。顕微鏡で小さい腎臓の中を拡大し、それをまた何度も拡大して見ると肉眼では見えないミクロの世界に宇宙のような別世界が広がり、その中では秩序をもって正確に働きがなされていました。私が生まれてから50年間絶えずこのように働いていた腎臓、それに何の感動も感謝もせず今まで生きていたのだ、と思いました。私のからだは本当におそろしいほどに、すばらしく造られていたのです。
私の教会では世界のいろいろな国からの人びとが共に礼拝をささげています。インドネシア、ミャンマー、中国、ベトナム、モンゴル、フィリピン、パプアニューギニア、トーゴ、ウガンダ、ボツワナ、カナダ、アメリカ、オーストラリア、ペルー、韓国、日本。最初に会うと決まって「どこの国の方ですか」とお互い自己紹介をし、それぞれの国の違いに話が弾みます。しかし、教会で一緒に礼拝をし続け交わりが深まると、私たちは同じ聖書を読み、天地の造り主なる神さまに礼拝をし、証しをし、互いの弱さも告白し合って共にイエスさまの名前で祈る、同じ土台の上にいることに気づきます。
ニュースで見る世界は、戦争、自然災害など問題に満ちています。無力感を感じ、嘆きが出てきます。しかし、ここで天地を創り自分を創った神さまを思い出します。体に必要な栄養素を必要な分だけ残し、必要ない分は外に出して今も動いている腎臓。腎臓の働きに私の手柄は少しも無いことを思い、「自分」ではなく「神さま」に力があることを思い出します。私の小さな腎臓の中に宇宙のような世界を創り秩序を与えた神さまは、全宇宙も全世界も治める神さまだと確信します。
問題だらけの世界にも、神さまの慈愛と善き力は満ちていること、同じくイエスさまを土台とし祈りをささげている世界中の人びとと共に、私は神さまを信じ、神の国と義を祈るように導かれています。
「世界とそこに満ちているものは/すべてわたしのもの」(詩編50・12b)