看護師としてのはたらきを通して
石橋 光穂(いしばし・みつほ/相模中央教会[神奈川]
女性連合の皆さん、こんにちは。元女性連合奨学生の石橋光穂です。奨学生として看護師になるための勉強をさせていただきました。お祈りに覚えていただき、ありがとうございました。この4月で看護師3年目になりました。3月には全国小羊会キャンプにキャンプナースとして参加させていただきました。元気いっぱいな子どもたちととても楽しい2泊3日を過ごしてきました。皆さんのお祈りと神さまに守られて、大きなけがや体調不良者がでることなく無事に行われたことを感謝しています。子どもたちが全力で遊び、全身で賛美し、真剣にお祈りする姿に私自身、とても励まされ、癒されました。たくさんの準備をしていただいたスタッフの皆さんに感謝です。
さて、現在私は、看護師として救急の集中治療室で働いています。そんな中での一人の患者さんとの出会いをご紹介しようと思います。看護師2年目の春、Aさんという20代女性の患者さんが運ばれてきました。彼女は結婚を控えており、パートナーと旅行に行った先で重症の薬疹を発症して救急搬送されてきました。最初にAさんと会ったとき、真っ赤な発疹は顔まで広がった状態でした。同時に敗血症(はいけつしょう)と呼ばれる重篤(じゅうとく)な感染を起こしており、呼吸が自力で保てず、人工呼吸器に繋がれていました。Aさんの婚約者の方は面会を強く希望されていましたが、Aさんは「こんな姿は見せたくない、会いたくない」と筆談を通して拒否されていました。私は彼女になんと言葉をかけていいのかわからず、ただ毎日の処置を行い、祈ることしかできませんでした。Aさんは状態の悪化と改善を繰り返し、3ヵ月間集中治療室に入院されていました。夜中に手鏡を見て、声も出せずに涙を流す彼女の姿を夜勤中に何度も見ました。看護師なのに、医療者なのに、身体をさすって隣にいることしかできませんでした。その後、一般病棟へ移動され、退院したのは入院から半年以上経った後のことだったそうです。そんな彼女が3ヵ月前、集中治療室に顔を見せに来てくれました。気管切開していた喉の穴は塞がり、ずっと聞けなかった彼女の声がやっと聴けました。「先月結婚したんです。私にとって最悪の半年だったけど、この病院に運ばれてよかった。いい経験になったなんて全然思ってないけど、でも生きていてよかったです」とにっこり笑って話すAさんを見て胸がいっぱいになりました。
神さま、どうしてこの人がこんな目に?と心から思うことがたくさんあります。Aさんのように状態がよくなる方ばかりではなく、落ち込むことも多いです。同時に、命は神さまのもので、私たち人間はとても弱く小さいものだな、と毎日実感しています。私のほんの少しの働きが神さまのご計画のために、苦しむ患者さんたちのために少しでも用いられますように、と祈っています。
最後に、大事にしているみ言葉をひとつ紹介して私のあかしとさせてください。「神のなされることは皆その時にかなって美しい」(伝道の書3・11a、口語訳)。
全国の教会の働きのために、これからもお祈りしています。