時代の転換点

時代の転換点に立って 2022年8月号 

新たなビジョンを模索して

前橋教会(群馬) 壱岐 基子
(『世の光』編集委員/これからの女性連合検討チーム委員)

前号では女性連合の会計面から今後の状況を考えようとお話ししました。

■会計が破綻しないように

私たちはまず収入の十分の一を月約献金として神さまにささげて、それから自分の生活にお金を使っていきます。貯金を取り崩しながらの生活はあまり推奨されません。なぜなら、そんなことをしていればいつかは会計が破綻する日がやってくると知っているからです。

それでは収入が減ったらどうしますか? 収入を増やす努力をするでしょうが、まずはそれまでの生活設計を見直し、不要なものを整理し、お金のかけ方を変えていくでしょう。

私たちは女性連合として、どこにお金をかけてどの部分の支出を減らしていけばいいのでしょうか。また女性会員のお一人おひとりは今後の女性会に何を期待し、何をなしていきたいと考えますか?

■トップダウンかボトムアップか

女性連合は私たち一人ひとりの集合体です。役員会からトップダウン(※1)の活動ではなく、それぞれの教会の女性会員からのボトムアップ(※2)の活動体です。そのことを今、よく覚えていただきたいのです。

お手元に女性連合の総会資料をお持ちの方は是非もう一度読んでみてください。女性連合の働きは多岐にわたり、その内容はみ心にかなう大切なものです。長年にわたり熱心に仕えてこられた先達の働きに感動を覚え、そのように導いてくださった主に感謝します。

足下の活動はそれぞれの女性会員の交わりの創出や育成のための総会や信徒大会の実施。小羊会を通しての子どもたちへの信仰の継承活動。「世界バプテスト祈祷週間」で献金を集め、宣教師や国際ミッション・ボランティアの働きを支えることや独自支援としてアジアの中での活動に
献金。若い女性たちの学びや信仰を支えるための女子献身者への祈りと奨学金での支え。それら大小さまざまな活動が見られます。

しかし数年後には予算の関係上、今と同じ規模で同じ働きはできなくなります。その時、私たちはどの活動を続けることを選び、どの活動を止めるのでしょうか。それを決めるには、私たち女性連合の理念(ビジョン)をしっかり固めておくことが大切です。日本バプテスト連盟も経済上の理由で機構改革を実施中です。私たち女性連合も同様に機構改革を行い、活動を見直す時期に入っています。

※1企業経営などで、組織の上層部が意思決定をし、その実行を下部組織に指示する管理方式。
※2下からの意見を吸い上げて全体をまとめていく管理方式。


■改革を進めるに当たって

2021年4月号『時代の転換点に立って』のページで1973年1月号の巻頭言を読みました。松村あき子は新しい婦人連合の働きを「バプテスト婦人の世界伝道への新たな献身」と書いています。

婦人連合は世界伝道に仕え続けるために結成されました。その理念は今も生きていますが、その方法は変化していくものだと考えます。「世界伝道に仕える」ことをどのようにとらえるのか、そこから考えることも必要になってくるでしょう。

国外宣教師の働きだけが世界伝道ではありません。ボーダーレス(※3)な時代になり、隣の住人や会社の同僚、コンビニエンスストアの店員さんなど外国籍の方と出会うことが多くなりました。日本国内にあって世界に目を向けることも必要ではないでしょうか。

さて、皆さんは何をやめ、何を維持し、何を新しく始めたいですか? これからしっかりビジョンを考え、思い切って決断していくことが大切となるでしょう。

※3 境界がない、国境がない、などの意。(※1~3、「デジタル大辞泉」より)


【お詫びと訂正】
金丸英子氏執筆の「わたしたちは神の同労者である」2021年1月号「松村あき子とその働き①」P16 6行目「松村(以下、あき子)は…、遠藤家の長女として…」との記載がありましたが、正しくは「次女」でした。訂正し、謹んでお詫びいたします。

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