今月のことば

今月のことば 2023年6月号

ちむぐりさの愛を携えて

本多 依子(ほんだ・よりこ/女性連合副会長 函館教会[北海道])

 

今月は「6・23『沖縄(命どぅ宝)の日』」を覚える月です。沖縄の人びとに平和と主の平安が与えられるよう共にお祈りいたしましょう。

さて、5月号「例会プログラム」でも取り上げられましたが、沖縄には「ちむぐりさ」(※1)という方言があります。漢字にすると「肝苦りさ」。これは、「他人の苦しみや悲しみを知った時に、自分の肝(心)もその人と同じように苦しくなる」という意味だそうです。

福音書には、イエスさまご自身が、病に苦しむ者に近づき、深い憐れみの思いを抱きつつ癒しを施された記事(※2)が数多く登場しますが、この憐れみの思いは、「ちむぐりさ」という言葉と同じ感情なのかもしれません。

今、世界を見渡せば、根深い差別や貧困、そして紛争。日本でもいつ始まるかわからない戦争の兆しに、私たちは恐怖を覚え、生きる希望すら見出せない状況にあるのではないでしょうか。先に神の救いを受け、イエスの憐れみに生かされている私たちキリスト者は、イエスの「ちむぐりさ」の愛に倣い、それぞれの場所から人びとに寄り添い、キリストの愛と平和を実現する者として立つことを切に願います。女性連合に連なるお一人おひとりが、地の塩・世の光として豊かに用いられることを祈りつつ。

※1 女性連合発行 沖縄『学習資料冊子』子ども版 15頁より参照。
※2 マルコ1章41節、6章34節、9章36節、マタイ14章14節、20章34節など。

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