神様からの恵み
筑波教会(茨城)
河本 由紀子(こうもと・ゆきこ)
いつも、神さまは私が思いもよらない方法で恵みを与えてくださいます。私は子どもの頃から音楽が、楽器が大好きでした。ピアノ、吹奏楽、バンド…。ずっと楽器と一緒にいました。子どもが生まれてからはなかなか難しかったのですが、夫の協力もあり、次女が生まれてからは家から歩いて三分の公民館で、古典音楽の合唱団に入ることができました。歌なら子育てしながらも続けることができ、楽しく過ごしていました。
その次女が、小学一年生の終わり頃学校に行くのを嫌がるようになり、一週間に一度ですが合唱の練習のため夜に外出するのも全力で泣いて嫌がるようになりました。学校に行くのを嫌がるというのは、本人が一番大変なのだと分かってはいましたが、私にも大変つらい時でした。車の運転をしながら私も泣いてしまったり…。私に合唱団を続けるという選択肢はありませんでしたので止めることにしました。でも、ちょっと悔しかったのです。牧師のお連れ合いや教会員のいろいろな方に助けていただいて次女が落ち着いた頃、独身の頃の貯金をはたいて、清水の舞台から飛び降りる気持ちで今まで触ったこともないチェロを買ってしまいました。ちょうど40歳直前でした。いきなりどうして、と思われることと思います。でもこんなことがあったのです。当時、子育て真っ最中のお母さんたちのための「TEA BREAK」という家庭集会がありました。まだ次女が生まれる前に協力牧師のお連れ合いが紙を皆に配りこうおっしゃいました。「この紙に5年後、10年後の自分の夢を書いてください。家族ではなく自分自身の夢です。荒唐無稽のものでも構いません。だって夢ですから」と。そこに私は「いつかオーケストラで演奏してみたい」と書いたのです。それがずっと心に残っていたのです。
チェロを始めて間もないころから、礼拝の奏楽にも少しずつ参加するようになりました。今考えると結構な度胸だなと恐ろしいです。でも教会の皆さんはとても優しく、いつも励ましてくださいました。ピアノの奏楽と違って音程がとても気になり、奏楽の前はまずは心を落ち着かせて、神さまにいつもお願いしています。「神さまを礼拝することができますように」と。主日礼拝の前のジュニア科でテンションが高くなっているときは、落ち着くのがとても大変です。でも礼拝に出席している可愛い子どもたちの姿を見ると心が穏やかになり、とても助けられてもいます。
そのチェロを介して、ウクライナから避難されてきているチェリストの方とも知り合うことができました。今度その方のチャリティコンサートを開催することになりました。普段教会に足を運んだことがない沢山の方がいらっしゃってくださると良いなあと思っています。
私は力もなく、小さなものです。でも神さまが助けてくださって、音楽という恵みで少しでもどなたかの、そして神さまのお手伝いができたらとても嬉しいと思います。