神さまのご計画の中で
高須教会(福岡) 美登 恭子(みと・きょうこ)
私がバプテスマをうけて45年が経ちました。転勤族と結婚して引っ越しの連続でしたが、二人の娘たちも一緒に各地を回って教会生活を続けて来ました。ノンクリスチャンの夫には「君の信仰は大事にすれば良いが、俺のことは構わないでくれ」と結婚時に言われましたが、教会への送り迎えや助っ人として教会行事の協力もしてくれました。
転勤に伴う転居をし、教会も10教会目となりますが、転入会の度に、すべて神さまのご計画の中の出来事で、今に繋がっているということを知らされます。すべてのことが神さまの目的によって起きていると思えなければ、転居を余儀なくされることに気持ちを切り替えられなかったのかもしれません。そして私の歩みに神さまが必要として用意されたことと思っています。一番長く住んでいるここ北九州は、夫が幼稚園から高校まで過ごした町で、転勤願いを出した訳ではありませんが、義母と数年同じ土地で過ごせたことは神さまのご計画だったと感謝しています。
夫はリタイヤ後、2年半前に胆管癌ステージ4aの告知を受けました。帰り道に「あの元気な時にやっておけばよかったと後から思わないように、やれる時にやりたいことはやろう」と話しましたが、思いの他元気で、抗癌剤治療とステント交換が終われば何の制約もなく生活していたので、いつまで続くかわからなくても急に悪くなるとは思っていませんでした。闘病中に夫がよく言っていた言葉は、「あんたがよく言う神さまのご計画だね」です。
しかし昨年10月、主治医から「一ヵ月後は難しいだろう」と言われ、急遽次女の結婚式をすることを決めて夫に伝えると、「式であの曲を(娘たち)二人で歌って…」と言い、それは娘たちがよくデュエットしていた「ああ嬉し わが身も」でした。神さまは家族4人だけで家で過ごす一週間をくださり、夫は結婚式の4日前に旅立ちました。次女夫婦が覚悟して決めた結婚式でしたので予定通り行いましたが、さすがに歌えず、私も伴奏することは無理でしたが、夫の希望は亡くなって1年目のこの秋に実現させようと計画しています。
神さまのご計画は私たちでは計ることができず、祈り求めた先に大きな変化が見えてくるという経験を今回もさせてもらいました。それはこれからも私の信仰生活の指針となると思います。そして、すべてのことには神さまの時があることも…。
「神を愛する者たち、つまり、御計画に従って召された者たちには、万事が益となるように共に働くということを、わたしたちは知っています」 (ローマ8・28)
左からお連れ合いの洋二さん(等身大パネル)、美登さん、2人の娘さん。