小羊たちと共に歩む恵み
岩瀬 妙子(いわせ・たえこ|札幌教会[北海道])
私が小羊会に関わるようになったのは1990年頃、教会員になってすぐのことでした。息子が小羊会に参加していたので「手伝って」と当時のリーダーだった方にお誘いいただきました。責任者のバトンが渡されたのが20年程前でした。
札幌教会の小羊会は、コロナ禍の2020~2022年、ほとんど活動休止していました。ですから、「小羊会」を体験することなく小学生を過ごした子たちが少なからず誕生しました。今、小学5年生の子どもたちは、その真っ只中の子たち。私はその子たちを見ると、何だか胸が締めつけられるのです。
コロナの数年前から、私は責任者として悩んでいました。小羊会が子どもたちから喜ばれていないのではないか、リーダーを担う女性たちは楽しくないのではないか、託してくださっているおうちの方たちから信頼されていないのではないか、と。月に一度の例会では、「五つの約束」を学び、教会員のお話を聞いたり工作をしたり、世界バプテスト祈祷週間には紙芝居作りや、賛美の練習をして臨みました。ある頃から、子どもたちが会の初めから興奮していたり、部屋から出て行ったり……ある種、無法地帯のような喧噪の時が見られるようになりました。私は子どもたちに落胆していなかったので、一見動ぜず悩んでいる姿を見せることなくクールにふるまっていたかもしれません。でもちょっと焦っていました。子どもたちが「楽しくない!」って叫んでいるぞ、と。リーダー会は定期的に持ちましたが、私が引っ張っている感は否(いな)めませんでした。ある年、お泊り会を計画していると、「本当は、他のリーダーはお泊り会はしたくないと思っています」と一人の方からメールで知らされ、冷水をかけられたように驚きました。本音が語られないリーダー会を持っていたのです。ですから、コロナ感染症で小羊会が休止になった時は、私には一旦静かに祈り思う時が与えられました。そして多くのことに気づかされました。
子どもたちが、教会で伸び伸び過ごせること、楽しいって思えること、おとなも一緒に喜んで楽しめること、そうありたいなぁと改めてシンプルに思いました。それは教会にあっては「だれでも」であって欲しい。
2023年度、小羊会が再び動き出しました。一年間に数回の小羊会を企画しよう、それは、教え諭(さと)すのではなく思いっきり楽しめるものにしたい。リーダーは呼びかけに応じてくださった方、誰でも…。女性や男性や中学生が集まりました。この年、教会では「こどもタイム」と名づけて礼拝前の30分程を、子どもたち(乳児から中学生まで)が集まって過ごす時を持ち始めました。それは毎週「小羊会」をしているようなものでした。2024年度からは「こどもタイム」も含めて小羊会の活動となりました。それを担ってくださっているのが、呼びかけに応じてくださった私より若い女性たち、男性たちです。いつの間にか変わって来た教会、小羊会。神さまのお守りと導きを心より感謝しています。