あかし

あかし 2025年6月号

執筆者
笠井 佳子
所属教会
東福岡教会[福岡]

祈られて備えられて

笠井 佳子(かさい・よしこ)
東福岡教会[福岡]

私は、2004年に女性連合の奨学生として、全国の女性会の皆さまの祈りと献金によりお支えをいただきました。心より感謝申し上げます。今回、その当時のことや近況について証しさせていただく機会が与えられ、その恵みに喜びと同時に緊張も感じています。

私はクリスチャンホームに生まれたこともあり、幼い頃から教会に通い、教会の方がたの祈りもあり、自然に神さまに出会い、信仰が与えられました。劇的な神さまとの出会いではなかったものの、いつも神さまが共にいてくださる実感がありました。しかし、大学卒業後に自分の進むべき道を模索していたある日、自分が生きているのは何のためなのか?という主の迫りを受け、自分が今まで本当に自分のためにだけ生きてきたことを痛感し、このまま人生を終えた時、神さまのみ前に立つことはできないと強く思いました。そしてこれからの人生は神さまのために生きたいと思い、将来教会で子どもたちに仕えるために、保育士の資格を取得してから、2004年に西南学院大学神学部に編入することを決断しました。

神学生時代は、初めて親元から離れ、慣れない環境での生活で不安や孤独を感じましたが、そんな時、「祈っているよ」というメッセージをいただいたり、実際に女性連合の奨学金を手にした時、私は一人ではなく、全国の諸教会の方がたの祈りとともに尊い献金がこうして自分の元に届いているということを実感し、感謝と同時に多くの期待に応えたいと身が引き締まる思いでした。

その後、結婚して札幌の教会で7年間、牧師である夫とともに教会生活を送りました。出産と育児に追われる日々でしたが、教会の方がたに守られ支えていただき、多くの恵みをいただきました。自分自身が子育て中ということで地域の未就園児と保護者対象の「子育て広場」を行いました。地域の親子の方と遊んだり、お茶を飲みながら情報交換をしたり悩みを話したり、私自身にとっても親として成長させていただいた恵まれた時間となりました。

そして、2013年より福岡に戻り、現在に至りますが、東福岡教会の一員として教会生活を送らせていただいています。夫は牧師と園長を兼務しており、私は教会附属の東福岡幼稚園で12年間、事務の仕事に携わっています。経理の知識もなく、幼稚園関係の制度も全く知らない中でしたが、周りの方がたに教わりながら手探りでなんとかやってきました。現在の働きは、献身の時に思い描いていた形とは違いますが、教会でも幼稚園でも裏方としてサポートをする使命をいただき、キリストの体の一部分として神さまの働きの一部を祈りつつ担わせていただいています。

これまでの道のりを振り返ると、札幌でも福岡でも教会や幼稚園で、子どもたちと触れ合う機会が与えられ、今まで学んだこと、経験してきたことが用いられ、時には回り道に思えることも、自分の思いと異なることでも人生の中で無駄だったことはなく、すべてが益となっていると実感しています。いつも神さまが先だって必要なものを備えてくださることを信じて仕えていきたいと思います。

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