聖書植物の復元(8)
長住教会(福岡)
小林 洋一(こばやし・よういち)
コリアンダーの種のようなマナ
コリアンダーはセリ科の1年草で、春に白い花を、初夏には薄茶の直径3ミリほどの小さな実をつけます。聖書にはいずれもマナとの関連で2回出てきます(出16:31、民11:7)。
「イスラエルの家では、それをマナと名付けた。それはコリアンダーの種のようで、白く、蜜の入った薄焼きパンのような味がした。」(出16:31)
マナは出エジプト後、荒れ野で空腹の故に不平を鳴らすイスラエルの民に神が与えた食べ物として知られ、マナの言語的由来はヘブライ語の「マン」=「何?」(出16:15)とされています。
さて、謎に満ちた神秘の食べ物であるマナですが、謎を解こうと脱神秘化のための諸説が唱えられてきました。聖書植物に関連する説としては、聖書植物園にもあるギョリュウ(タマリスク)に寄生するカイガラムシの分泌物が白く黄ばんで玉になって地に落ちたもの(甘味)、という説があります。案内に際しては、ギョリュウの前で、「真偽のほどはわかりませんが」と断りつつ、その説を紹介しています。
コリアンダーはタイ語で「パクチー」、中国語で「香菜」(シャンツァイ)と言われ、日本でも若葉を口にする機会が増えてきました。コリアンダーは薬草で、葉も種も、リュウマチ、壊血病、鎮静、自律神経失調等にも効くと言われています 。 聖書には薬として使われた植物が意外に多く登場します。
コリアンダーの花
(写真)堀 詠子
コリアンダーの種