今月のことば

今月のことば 2024年8月号

キリストの平和(あなたがたの心を支配するように)

 

女性連合会計
友納 薫(とものう・かおる/常盤台教会[東京])

 

8月は、共に平和を覚えて祈る時が、より多く与えられている月です。

8月6日広島原爆記念日、9日長崎原爆記念日、15日敗戦記念日。生まれ育った長崎でも、以前は原爆投下時間11時2分、サイレンが市内に一分間鳴り響き、建物の中にいる人びとはもちろん、道行く人びともどこにいても多くの市民は立ち止まり、手を止めて黙祷をささげていました。学生時代、アルバイトをしていたデパートでもお客さまも店員も(防犯のため一部の人を除いて)ほとんどの人が黙祷するのが当たり前でした。

ところが1990年代、約10年長崎を離れていた間に、当たり前だったサイレンは鳴らなくなっていました。大変驚き、長崎の将来を憂うれう気持ちで一杯になりました。翌年、牧師である夫は教会の屋上に韓国の姉妹教会からいただいた鐘を持って上がり、原爆投下時間に合わせて心で祈りつつ鳴らしました。屋上で良く耳を澄ましてみると、あちらこちらから教会の鐘や、お寺の鐘、神社の太鼓の音が鳴り響いていました。

今、私たちのまわりには心に憂いを抱いてしまうようなことが多くありますが、キリストの平和にわたしたちの心を支配していただきながら、一つとされた人びとと共にいつも感謝しつつ歩んでいきたいと祈り願います。

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