アンネの仕事 ~平和を実現する人に~
佐藤 幸子(さとう・さちこ、女性連合書記 筑波教会[茨城])

今年も私たちの教会にアンネのバラが咲きました。正式には「アンネ・フランクの形見」と名付けられたこのバラは、真紅の蕾からオレンジ色、黄金色、そして優しいピンク色へと色を変えていきます。その美しさに見とれながら、このバラに託された願いに思いを巡らせます。
15歳でホロコースト(大量虐殺)の犠牲となったアンネ・フランクは、日記にこう記しました。
「なぜ、人間は仲良く、平和に暮らせないのでしょう?」
「もし神さまが私を長生きさせてくださるなら、私は世界と人類のために働きます」。
隠れ家での不安と恐怖の中にあっても、アンネは希望を失わず、平和な世界を信じ続けました。父オットー・フランク氏は、その願いを受け継いで、平和の大切さを伝える働きを「アンネの仕事」と呼んで生涯をささげました。そして、「ただ同情するだけではなく、平和をつくるために何かをする人になってください」と訴えました。
8月を迎えるたびに、私たちは戦争の記憶に耳を傾けます。しかし、過去を記憶するだけでは平和は実現しません。世界では今も、戦争や暴力によって多くのいのちが傷つけられています。主イエスは「平和を実現する人々は、幸いである」(マタイ5・9)と語られました。私たちにできる「アンネの仕事」とは何でしょうか。神さまからいただいた今日を、平和を願うだけでなく、平和を実現する者として歩めますように。そのような祈りと決意をもって、この8月を迎えたいと思います。