時代の転換点

時代の転換点に立って 2024年12月号

〜これからの女性連合〜
「日本バプテスト女性連合とのこれからの協働のために
~性差別に基づく構造的課題に対する理事会表明~」

2024年10月1日、日本バプテスト連盟(以下、連盟)第二回理事会の中で、「日本バプテスト女性連合とのこれからの協働のために~性差別に基づく構造的課題に対する理事会表明~」(以下、「理事会表明」)が吉田真司(よしだ・しんじ)連盟理事長より加藤泉(かとう・いずみ)女性連合会長に手渡されました。

 さらに2024年10月19日の女性連合総会議案説明・懇談会(オンライン)の中で、中田義直(なかだ・よしなお)連盟常務理事よりあらためて謝罪を受けました。内容は次の通りです。

日本バプテスト連盟(以下、連盟)と日本バプテスト女性連合(以下、女性連合)は、前身である「日本バプテスト婦人連合」の発足から50有余年にわたって、国外伝道の働きを協働の業として担ってきました。  連盟の第26六回年次総会(1972年)において決定した第一回機構改革により、連盟婦人部が独立し、1973年に信徒運動体「日本バプテスト婦人連合」(以下、婦人連合)として発足しました。
婦人連合は、遡れば、戦前の連盟婦人部時代から一貫して、主体的に国外伝道の使命を持ち、特に「世界バプテスト祈祷週間献金」を推進してきました。そして、現在の女性連合に至るまで連盟の国外伝道を主に財政面で支えてきました。
また、女性連合は、世界のバプテスト、特にアジアのバプテストの女性たちや国外伝道にたずさわる方々との間に独自のネットワークを築き、まさに物心両面から連盟の国外伝道の働きを担い、支えてきてくださいました。連盟婦人部から婦人連合、そして、女性連合の働き抜きには連盟の国外伝道を考えることはできません。

私たち連盟は、このような国外伝道の在り方、そして、女性連合との協働関係を自明のものとしてとらえてきました。しかし、連盟結成70周年にあたり第63回定期総会(2017年)で採択された「『連盟70年の歩みから性差別の歴史を悔い改める』声明」において告白したように、私たち連盟の歩みには厳然とした性差別が存在してきました。時代状況や慣習により、いわゆる常識、当たり前の事柄として疑いもなくとらえてきました。また、それにより差別する側が無自覚に得ていた既得権益が存在してきました。そして今も、性差別とそれに基づく権益は解消されず続いています。
そして、この問題は性差別に基づく構造的課題として女性連合と連盟との関係の中にも厳然として存在しながら、私たち連盟はそのことに対して無自覚に歩んできました。

具体的には、「連盟の国外伝道」について、「女性連合は総会を持つ主体的な他団体である」ことを理由として、連盟は女性連合を意思決定機関に含まないという構造による運営を行ってきました。連盟理事会への陪席など国外伝道に関わる必要な協議の場に女性連合の代表者が加わり発言する機会はありましたが、その関係は「覚書」などによって公に保証されたものではありませんでした。また、女性連合の役職者が連盟の委員会で委員を務めることがあっても、それは加盟教会員個人としての責任における資格に基づく働きとされていました。
一方、連盟は、「男性」によって構成されている全国壮年会連合とは覚書を交わし、「連盟奨学金」の運営、「神学校献金」の推進を委託しました。国外伝道と奨学金の運営に関してはそれまでの歴史、対象者や実務面での違いがあり、すべてを同列に考えるのは難しいですが、一方とは「覚書の締結」といった目に見える形での対等な構造的関係が構築されていることを考えると、女性連合とは長い協働の歴史、相互理解と尊重があったとはいえ、このような構造的な違いや課題が生じていることに対して連盟理事会は無自覚でした。

このことを振り返り、認識した連盟理事会は、常識と考えてきたこと、慣例として疑いなく進めてきたことの中で無自覚であった女性差別とそれに基づく構造的課題を持った協働の形を、悔い改めの心をもってとらえなおしてまいります。そして、この構造ゆえに長らく与えてきてしまった痛みを覚えつつ、連盟理事会として、ここに女性連合に対し謝罪の意を表します。

連盟理事会は、これからの国外伝道、また、国際宣教の働きを担っていくに際して、女性連合との構造的課題を克服し、協力関係と協働の形を新たに構築し、共に歩みを進めてまいりたいと願っています。そして、そのためにも、「『連盟70年の歩みから性差別の歴史を悔い改める』声明」に立って、これまでの協働の在り方を顧み、そこにある構造的課題を克服するために、女性連合と協議し、国際宣教を視野に置く「これからの国外伝道」の働きにおける対等な関係を目に見える形であらわすなど、改善してまいりますことを、ここに表明いたします。

2024年10月1日
日本バプテスト連盟理事会


加藤泉女性連合会長より応答のコメント

本日、日本バプテスト女性連合(以下、女性連合)総会議案説明・懇談会において、第二回日本バプテスト連盟(以下、連盟)理事会にて表明されました声明文「日本バプテスト女性連合とのこれからの協働のために ~性差別に基づく構造的課題に対する理事会表明~」をここに出席している多くの方がたと共に受け取ることができました。

これまで、連盟と女性連合は世界伝道において、そのともなる歩みの中で豊かな恵みを分かちあってまいりました。そしてそれは私たち女性連合にとりましても大変大きな恵みの歩みでした。
しかし、その歩みの陰に隠されていた痛みと涙があったことに気づきが与えられました。その気づきにより、私たちもこの時をお互いのこれからの歩みをより良き形で考え直していく立ち止まりの時としたいと願います。

連盟からの声明文を受け取らせていただくと共に、わたしたち女性連合自身もこれまでの自らの歩みを振り返り、これからの協働に向けて、小さな声に耳と心を傾けていく働きを真摯に求めていきます。
連盟と女性連合が、新たなる歩みに共に希望をいただいていくことができればと願っております。

(10月19日、女性連合第52回総会 議案説明・懇談会にて)

「理事会表明」を受け取る加藤会長と連盟の吉田理事長。

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