〜これからの女性連合〜
バリューに添えての聖書の言葉
― わたしたちの活動/わたしたちの働き ―
「これからの女性連合を考える検討チーム」委員
泉 美智子(いずみ・みちこ)古賀教会[福岡]
「これからの女性連合を考える検討チーム」ではわたしたちのビジョン・ミッション(案)を実現するために、キリスト者として少しでも先んじて新しい時代の在り方を掲げて導くものとなるバリュー(大切にする価値観・行動指針・心構え)を話し合いました(25年4月号記載)。過去を振り返り未来への希望を祈りつつ、対話を重ねながら言葉を紡いで整えていくことは大変な作業でしたが、豊かな時間でした。
バリュー(案)の柱である四項目が決まり、参照としての聖書箇所を選んでいきました。その際、それぞれの教会や個人が慣れ親しんでいる聖書の訳もあると思いますが、(現行の)1987年発行の新共同訳を用いるか、あるいは2018年に発行された聖書協会共同訳(以下、協会共同訳)を用いるかということから、最新の協会共同訳についても考えてみることとしました。
聖書はこれまで30年おきに改訂または新たに翻訳されてきました。協会共同訳は新共同訳の改訳ではなく、原文からの新たな翻訳です。帯には「変わらない言葉を変わりゆく世界に~31年ぶり、0(ゼロ) から翻訳~」とあります。この事業の諮問(しもん)会議にはかつてない多くの教派(17 教派・1団体)が参加し(もちろんバプテストも)、「この諮問会議は日本のキリスト教会をほぼ代表しており、そこで出される答申は、日本の諸教会が求める聖書を示すと言うことができます」と記されています(※)。
なお特記すべき点は、従来に比べ、とても多くの女性の委員が貢献したことです。女性の委員たちの(視点)意見を反映して、新共同訳では53回用いられた「はしため」が協会共同訳では「仕え女(つかえめ)」に変わり、(ミカ書などの)「お前は」が「あなたは」になっています。また「子供」が「子ども」に、「兄弟」が「きょうだい」に、「わたし」は「私」に変更されています。またこれまで長く使用されてきたものの日本語として定着したとは言えないいくつかの用語、たとえば「嗣業(しぎょう)」は「相続地」「所有の民」などに、「半部族」は「部族の半数」と読みやすく理解しやすい訳文となっています。私自身は読んでいて言葉の順番や文章のつながりにおいては回りくどくなく、日本語がスッと入ってくると思いました。
協会共同訳はまだ諸教会・伝道所にはあまり普及しておらず馴染みが薄いかもしれませんが、「時代に即した聖書の訳」ということでこれから多くの教会で用いられていくと思います。そのようなことから、話し合いの中で、時間をかけて協議した結果、女性連合自体もこれから変わろうとしていく改革の意思を表すためにも「聖書協会共同訳」をバリュー(案)に添えて用いる提案をしようとしています。
■標語:わたしたちは神の同労者である(Ⅰコリント3・9、口語訳)
■わたしたちの願い(ビジョン)
すべての命が尊ばれる世界を目指して、互いに助け合うものとしてともに生きる
■わたしたちの使命(ミッション)
イエス・キリストと出会ったわたしたちは
神の愛をわかちあい
すべてのいのちを慈しみ
平和を実現する者となります