平和を知らない子どもたち
女性連合書記 戸井田 敦子 （といだ・あつこ／西川口教会）
昔、戦争を知らない子供たち』という歌があった。私もその一人で、戦争を知らないで60年、生きてきた。だから、戦争状態というのを、生の感覚で感じることができない。それは遠く歴史の中にあり、もう絶対にしてはいけない教訓のように響くのだ。
しかし、それは現実としてやってきた。今は21世紀だよ！ そんな馬鹿なことがあるもんか。でも、今日が昨日の続きだった普段の日常が、ある日突然破壊され、逃げ惑い泣き叫ぶ人びとを私たちは見る。「そんな馬鹿なこと」は、私の周りになかっただけで、ウクライナだけでなく、ミャンマーで、アフガニスタンで、世界中で起きているのだ。
主は私たちを、ロボットのように、強制的にただ主に従うだけの存在にはお造りにならなかった。主は人間に自由意思を与え、人間が自らの意志で主を礼拝することを望んでおられる。私たちが真に主の愛に生き、主の平和を作り出す存在になろうとするのか、主は問うておられるのではないだろうか。今、戦火の中で生きる子どもたちを、絶対に「平和を知らない子どもたち」にしないために、おまえは何をするのか、と。
「平和を実現する人々は、幸いである、／その人たちは神の子と呼ばれる。」（マタイ5・9）