今月のことば

今月のことば 2026年10月号

執筆者
加藤 泉
所属教会
大井教会[東京]

一人ひとりの声を重ねて

加藤 泉(かとう・いずみ、女性連合会長 大井教会[東京])

ミヒャエル・エンデの物語『モモ』には、人の話を聴くことのできる不思議な少女が登場します。モモは、立派な助言をするのではなく、ただ相手の言葉に心を傾けます。すると、話している人の心に、それまで見えなかった思いや、新しい考えが生まれてくるのです。

一人で考えているときには見えなかったものが、誰かに語り、また誰かの言葉を聴くことで、少しずつ見えてくることがあります。私たちは、同じものを見ていても、立つ場所や経験によって見え方が異なります。だからこそ、それぞれが見ているものや願いを持ち寄ることが大切なのだと思います。

今年も女性連合の総会を迎えます。今年度は書面総会となり、10月3日(土)にオンラインでの議案説明会を行います。働きや予算を決議するだけでなく、お一人ひとりの祈りを持ち寄り、共に神さまのみ心を尋ねる場です。

使徒言行録15章には、意見の違いに直面した初代教会の人びとが、集まって互いの言葉を聴き合ったことが記されています。異なる経験や考えが差し出される中で、教会は進むべき道を見いだし、「聖霊とわたしたちは ……決めました」(28節)と告白しました。意見が異なることは、歩みを妨げるものではなく、自分には見えていなかったものに気づく入り口にもなります。自分の考えを伝えることも、ほかの人の言葉に耳を傾けることも、共に歩むための大切な営(いとな)みです。さまざまな声に耳を澄まし、まだ言葉にならない思いにも心を寄せながら、一人では見えない道を共に見いだす総会となることを願っています。

 

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