時代の転換点

時代の転換点に立って 2023年2月号

宣教理念の転換
ー世界伝道から世界宣教へー

女性連合書記
戸井田 敦子(といだ・あつこ/西川口教会[埼玉])

2022年度も、残すところあと2ヵ月になりました。教会も地方連合も、定期総会でこの一年を振り返り、新しい年度の計画をしていく時だと思います。コロナを始めとする今の時代の課題の中で、教会も連盟も苦闘し、変わろうとしています。私たち女性連合もまた、時代の転換点に立って、これからの女性連合を模索し続けてきました。女性連合を女性連合たらしめているものは何か。私たちが大切にし、願い求めてきたものは何か。今回はそんなことを考えてみたいと思うのです。

◆教会と社会、教会と時代

私たちは世界伝道を使命とし、世界バプテスト祈祷週間を通じてその業に仕えてきました。「全世界にキリストの福音をつたえるために」(『私たちの約束』)、宣教師派遣という選択をし、その働きと生活を支えるために祈り、喜びと誇りをもってささげものをしてきました。まだ外で働くことが珍しく、自分で自由に使えるお金もなかったかもしれない時代の女性たちは、バザーや昼食奉仕、さまざまな方法を工夫して献金を捻出しました。そこから信仰の交わりができ、先輩方から教えられ、育てられてきたことは、大きな大きな恵みであったと思います。

現代のように自由に外国旅行ができなかった時代に、女性たちは信仰と祈りを宣教師に託してきました。宣教師たちの働きによって、今日の各国連盟との繋がりやIJCS(シンガポール国際日本語教会)との交わりという実りが与えられたことを主に感謝します。

この時代、日本社会は高度経済成長期を経験し、傲慢ともいえるほどの経済の覇者でありました。教会の教勢も伸び、献金額も右肩上がり、連盟の以前のキャッチコピー「500(の教会)と5万(の信徒)」もこのような背景のもとにあっただろうと思われます。しかしバブルは崩壊し、出生率は下がり、日本社会は今、さまざまな課題を抱えています。教会もまた、社会の中にあるもの。日本社会の抱える課題を、教会もまた抱えているのです。

◆時代は変わる、私たちの理念は?

世界もまた、変わりました。遠くにありて思うもの、ではなく、飛行機でひとっ飛び。いえいえ、出かけなくたって、インターネットにつなげば、
地球の裏側にいる人たちと、今一緒にいるように話もできる。教会にも、さまざまな国籍の方が来てくださるようになりました。現代は、世界は外にあるものではなく、まさしく、教会の中に、私たちの間に、あるのです。先輩たちが祈り、支えてきた「全世界にキリストの福音を伝える」ことを、私たち一人ひとりが直接担えるのです。担うことの責任を、主から問われているのです。

それは、もしかしたら今まで考えていた、「宣教師を派遣し、イエスさまをまだ知らない人たちに福音を伝える」ことから、「私たち自身の中にある痛みや苦しみを共有し、支えあい、イエスの福音を共に喜ぶ」ことへの転換を求められているのではないでしょうか。

「これからの女性連合検討チーム」では、新しい女性連合の理念を検討しています。神の愛を分かち合い、ともに生きることを使命としたいと考えています。それこそが、女性連合の根幹だと思うからです。宣教師派遣からいただいた大きな実りに感謝し、これからの時代や状況にふさわしい理念を掲げ、変わらぬ主の愛を喜び、この世界の中でともに生きる、そのような女性連合を望みながら、歩んでまいりたいと願います。

・女性連合ホームページ(www.jbwu.org)「これからの女性連合」コーナーにて理念、活動、会計、組織体制など検討チームでの検証を共有しています。女性会でも共有いただき、用いていただければ幸いです。

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