時代の転換点

時代の転換点に立って 2023年3月号

この一年を振り返って
ー新しい理念への私の思いー

これからの女性連合検討チーム
泉 美智子(いずみ・みちこ/古賀教会[福岡])

今年の2月6日をもって女性連合が自主独立して50周年を迎えました。50年という節目の時、時代の流れの中で、私たちを取り巻く社会の状況は大きく移り変わっています。また女性連合も財政逼迫状況の深刻化に加えて、思ってもみなかった新型コロナウイルス感染症に見舞われ、これまで当たり前としていたことがそうではなくなりました。

また、女性連合の存在自体が歴史的には過去の日本バプテスト連盟(以下、連盟)機構改革との密接なかかわりの中で生み出されてきたことを思う時に、今回の連盟の機構改革と時を同じくして、今一度立ち止まって連盟との関係性を見直す機会ではないかと思いました。そして、神が与えてくださったこの時を女性連合は「時代の転換点」として祈りつつ本格的に機構改革に取りかかり、一年が過ぎました。

しかし、この一年、「これからの女性連合検討チーム」(以下、検討チーム)での協議はなかなか前に進めませんでした。なぜなら今まで気がつかなかった、多くの人たちにとっては考えもしなかった大きな課題が目の前にあったからです。それは、私たちには自主独立した女性連合のメンバーであり、また連盟のメンバーでもあるという二つの立ち場がありますが、これまでの世界伝道推進のあり方には構造的にジェンダーに基づく不平等があったということでした。このことをどのように克服して、女性連合が連盟と対等に協働していくのかが根幹をなすテーマとして、検討チームでは「対等とは?」「協働とは?」とずっと考えてきました。一方で、連盟の機構改革の中で「これからの国外伝道検討委員会」が立ち上がり、そのメンバーとして女性連合から3名が委員として派遣され、女性連合の課題も共有しながら協議が続けられてきました。

昨年11月、連盟主催の「みんなで『これ連』」でこれからの方針案(中間報告)が伝えられました。それは、この65年間、米国南部バプテスト連盟のやり方に学び、宣教師派遣を通して多くの実りをいただいてきた「国外伝道」から、私たちの教会が、神が働いておられる世界(国内・国外)に遣わされている者として、共にキリストを証しする働きに参与する「国際宣教」へと展開していきたいとの発題でした。それはすでに私たちの身近で起こっていることを神の出来事としていくことであり、宣教の原点に立ち返りながら広く世界に開かれていくことのように思いました。


検討チームでは連盟と女性連合で立ち上げている「国際宣教委員会」で神の宣教の働きを連盟と女性連合が「対等」な関係のもとで「協働」するという方向性を探っていくことはできないかと協議しています。また、私たちが65年間、使命として大切にしてきた「世界バプテスト祈祷週間(献金)」についても、新しい理念に基づいて今一度立ち止まり考えていってもいいのではないかとも考えています。

新しい歩みに踏み出す時、その中で見えてくる具体的でいろいろな難しい課題に不安になり、躊躇しますが、新しくなることを通して教会、私たち自身の構造的な課題も見えてきて、女性たちのエンパワメント(※)にもつながっていくのではないでしょうか。これからも先立つ主の導きを祈りつつ協議を重ねていきます。お祈りください。

※その人がその人らしくあり続けることができるように、自らの人生を意思決定していく力をつけていくことを励まし、サポートすること。

 

・女性連合ホームページ(www.jbwu.org)「これからの女性連合」コーナーにて理念、活動、会計、組織体制など検討チームでの検証を共有しています。女性会でも共有いただき、用いていただければ幸いです。

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