時代の転換点

時代の転換点に立って 2024年1月号

女性連合の新しい姿を描くとき

実行委員 竹之内 理香(たけのうち・りか/静岡教会[静岡])

 

第51回総会・信徒大会(50周年記念大会[福岡])は、女性連合のこれからについて深く考える機会を与えてくれました。新たな気づきや疑問、やっと理解できたこともありました。皆さまと、そうしたことを自由に語り合う場があったらいいなあと思います。それを期して、ここに私の疑問に思ったことや感じたことを書いてみたいと思います。

昨年度、「三年後に女性連合の財政はショート(破綻)する」というシミュレーションが示されました。「そうなる前に打てる対策はないのだろうか?」—役員や事務局からいろいろな工夫が提案されていますが、『世の光』の会計はすでに赤字です。誌代の値上げ、ウェブ購読の比率を増やす、発行を年に何回かに減らすなど、対応策が検討されています。しかし、それが会員の減少に拍車をかけないとも限らず、複数の対応策を組み合わせて検討する必要があるでしょう。「ショートしたらどうなるのか?」—最大のダメージは事務局体制です。誰がどのように会計、『世の光』、ホームページ、相談窓口、外部団体との連絡を担うのか…。女性連合の活動の中心である「世界バプテスト祈祷週間」も、情報収集から送金にいたるまで、実務の多くを事務局が担っています。こうした活動はどうなるのでしょうか?

ここは立ち止まり、腹を据えて考える時だと思います。私たちは何のために連帯して、何を目指していくのでしょう?


女性連合の活動の核となる 「世界バプテスト祈祷週間献金」は1931年、今から92年前に、世界伝道のアクションとして始められ、時代に合わせて少しずつ変化させながら現代まで継承してきました。この活動は女性連合のアイデンティティとも言えるものだと思います。しかし、現代に生きる私たちは、同じやり方で、同じことを進めていけるでしょうか。「世界」のとらえ方の変化に応じて、今日の教会は「伝道から宣教へ」シフトしています。世界のさまざまな痛みの中で苦しみ悲しむ人びとに寄り添い、共に生きようとする女性連合の姿勢は変わっていません。でも、性的マイノリティの人権の問題を素通りして、苦しみ虐げられ小さくされた者たちの姿が見えるでしょうか。私たちは何を実現するために集まり、行動を起こすのか? この点をしっかり確認して、進んでいく時なのだろうと思います。

本当にそうありたいと願う「ビジョン」があれば、賛同する人が集まり、つながっていくことができます。ビジョンは高い山の頂のようなものです。そこへの登山ルートは無数にあるはずです。同じ山の頂を見すえていれば、誰でもどこからでもそこを目指していくことができます。そのビジョンからキリスト者としての使命(ミッション)を身に受け、それに押し出されて、一人ひとりがアクションを起こしていけるのです。バプテストの中だけにとどまらず、地域の方がたと手をとり合い、一緒に進める活動も生まれてくるでしょう。その「多様性」を神さまはきっと喜ばれるはずです。これからの3年間に私たちがすべきこと、それは女性連合の新しい姿を共に描いていくことなのではないでしょうか。私はそのように確信しています。

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