今月のことば

今月のことば 2022年12月号

クリスマスを待つこころ

女性連合書記 戸井田 敦子 (といだ・あつこ/西川口教会)

 

毎年この季節になると、街が浮足立つ。なんだかこちらの気持ちまでウキウキしてきて、店の賑わいやリースの飾ってある家を眺めながら、みんな何をそんなに待ってるんだろう、と思う。シメオンの話が好きだ。シメオンは、長い間メシアを待っていた。そして、ついにイエスさまの献児式で、彼の希望は叶えられたのだ。「儂(わし)は待った!  待って、待って、待ち続けた!」なんて、喜びに噎(むせ)ぶ心の中の声まで(本当にそう言ったわけじゃないけど)、聞こえるような気がしてしまう。

それから2000年あまり、主を信じる人びとは、毎年クリスマスを迎えながら主の再臨を待ち望んできた。暖炉のそばで、或いは、寒さに震えながら。久しぶりに帰ってきた子どもたちと、或いは、孤独を噛みしめながら。戦場で迎えたクリスマスもあったし、病床で祈り続けたクリスマスもあ
っただろう。苦しみの中で、喜びの中で迎えた、何千、何億のクリスマス。生きるのは、決して容易(容易)いことではないから、人の罪の贖(あがな)いのために苦しみを受けてくださった方のご誕生を希望にして、人は時を重ねる、これからも…。「クリスマスおめでとう!」「主のご降誕、おめでとう!」

error: この記事は保護されています