時代の転換点

時代の転換点に立って 2022年12月号

主と世に仕える人のために

宮崎教会牧師(宮崎)
中條 邦子(ちゅうじょう・くにこ/『世の光』編集委員)

 

今回は「後継者育成」の活動の中の「献身者」について、ご一緒に考えたいと思います。「献身者」に関する活動については、「献身者デー」「女性連合奨学金」「献身者研修会」があります。

「献身者デー」については『女性連合ハンドブック』(以下、ハンドブック)7ページに「各女性会の9月の例会で、女子献身者の育成のために祈り、そのために献金をします。この献金は女子献身者の奨学金として用いられます」と記されています。

このようにしてささげられた献金は「女性連合奨学金」として、「献身を決意している人(直接伝道に限らず、召命感をもっておのおのの分野で献身、奉仕しようとする人)に、女性連合奨学金規程にそって支給されます」(ハンドブック7~8ページ)とあります。

献身者研修会は、現在女性連合主催では行われていませんが、連盟主催の献身者研修会に四つの目的を持って献身者(女性)を送り出しています(ハンドブック8ページ[1]~[4])。

そもそも、バプテスト教会においては、一人ひとりが神さまに招かれ、礼拝を守り、祈り、献金し、奉仕するなど、主に仕え、世に仕えているのですから、その時点で皆が献身者と言うことができます。

コリントの信徒への手紙一12章では、聖霊によって「イエスは主である」と告白した人、一人ひとりに霊的な賜物を主がお与えになることが記されています。そして、「体は一つでも、多くの部分から成り、体のすべての部分の数は多くても、体は一つであるように」(12節)、私たち一人ひとりはそれぞれ違う形でキリストの体である教会を形成していることを知らされます。

その中にあって、あえて女子献身者を支えようとする取り組みは、女性連合の使命である、「イエス・キリストが世界の救い主であることを告白し、日本を含めて全世界の人びとにキリストの福音を伝え」ること、多くの人びとと主の福音を分かち合うことを次世代へとつなぐ役割があるのだと思います。また、「女性」を支援する理由として、まだまだ女性の献身(神学を学ぶ)の機会が男性に比べて少ないことや、未だに女性教役者の赴任先・条件の問題があることなども挙げられます。現在、直接伝道に限らず、召命感をもっておのおのの分野で献身、奉仕しようとする人にも奨学金が用いられていることはすばらしいことだと思います。というのも、この世の中でキリスト者として生き、キリストを証しし、福音を分かち合うことは私たちの足元から既にあり、そのために励もうとしている人びとを支えることは女性連合として大切な役割であると考えます。

しかし、『世の光』2020年9月号の「例会プログラム」で中條智子牧師(長住教会)が「女性連合は、社会のなかで小さくされている人たちへの寄り添いも使命としていますから、そうした視点を持って学ぶ人には、性で限定せず奨学金を出す。そういうことがあっていいと思うのです」と書かれていました。

女性連合が世にあって、開かれた活動、支援をするためにも、女性に限定しないで、女性連合の使命に共鳴する献身者を支えることも合わせて考えていくことが必要なのではないかと思います。

キリストに連なる一人ひとりが献身者として、これからいろいろな形で学び、主と世に仕える次世代の献身者を支えましょう。

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