時代の転換点

時代の転換点に立って 2023年5月号

会議も「改革」へ

女性連合幹事  米本裕見子 (東京北教会[東京]協力牧師)
「これからの女性連合を考える検討チーム会議」を振り返って

2022年度の1年間、毎月1回、土曜日に会議を行ってきました。あらたな「理念(案)」を考え、主な活動の一つ「世界バプテスト祈祷週間」について、連盟の国外伝道の改革と足並みを合わせるように協議してきました。改革の根底には、財政危機、会員減少、担い手の不足など重いテーマが横たわり、何とかしなくてはという焦りと同時に初めての大きな改革なので「落ち着いてじっくり考えなくては」という相反する思いと戸惑いが交錯しました。

何度もロードマップを作り直しましたが、予定通りには進みませんでした。旧来の提案・説明をして質問や意見を聞くスタイルの会議の進め方ではまとめていくことも難しく、共有の方法やタイミングも大きな課題でした。

『女性連合ハンドブック』をもとに組織、体制、財政について網羅(もうら)的に考えていこうとした頃には、あらゆることが複雑に絡まりもつれた糸を前に途方にくれました。

そのような時、思いがけず助け手が与えられました。昨年度に、『世の光』「心に鍬を入れられて」4〜6月号に執筆くださり、「『世の光』オンラインサロン」でご協力くださった竹之内裕文さん(たけのうち・ひろふみ/静岡大学教授:専門は哲学・対話)が、検討チーム会議のファシリテーター(司会進行役)のボランティアを申し出てくださったのです。第三者として1年間立っていただき、もつれた糸をほぐしていく役割を、役員会は驚きと感謝をもってお願いすることにし、チームメンバーの了承を得ました(男性だからというわけではなく、ファシリテーターのプロとしてお願いしました)。

コンパッション

さっそく3月の会議では、竹之内さんから自己紹介と、「コンパッション」(※1)について聴き、さらにこの一年の会議を振り返り、これからの会議への望みを自由に出し合いました。そこでは口々に、行き詰まり、閉塞感、疲労感、焦り、重かった、などの声があがり、皆がそれぞれ傷つき苦しんできたことを思わされました。
互いに傾聴しあい、安心して発言できる空間を作り出すためには、互いに「コンパッション」を持つことが不可欠でした。そんなフラットな場になれば、機構改革も会議も楽しく進められるのでは、という期待を持ちました。
かといって、これまで話し合ってきたことは無駄だったわけではありません。これまで考えてきたことを心に留めつつ、必要な時には再度テーブルに乗せて、話し合っていけるのです。
そして、まずは「私たちにはどんなビジョン(夢)があるのか」を語り合うことになりました。「ビジョン(夢)は、一人ひとりの心を動かす原動力になる」からです。

※1 自分や他者の苦しみに対する感受性(sensitivity)であり、 苦しみを軽減し未然に防ぐように力を尽くすこと(commitment)」である。それは、他者に向け、他者から受けとり、自分自身に向けるもの。(コンパッションの学びより・2023.3.18)

女性連合・わたしたちのひろば

全国の女性会の皆さんとの情報共有と意見交換の場である「女性連合・わたしたちのひろば」も最近は十数名と減少しています。それでも毎回、貴重な声をいただき、励まされてきました。
3月の「ひろば」では、「説明型」から「対話型」にして、これまでの女性連合の恵みを分かち合い、これから何がしたいかを語りあいました。
女性連合が大切にしてきたもの、それは世界伝道を軸にしたつながりと交わりでした。「つながる喜び」によって励ましを得ていくために、具体的な活動として、女性連合主催のオンラインでできる集い、例えば「『世の光』を読む会」などが挙げられました(すでにそれを行っているグループもありました)。『世の光』さえあれば参加できるよう敷居を低くし、一緒に読み、考える。2日間の「ひろば」では参加者からこのような声が多々だされました。これなら、人手も費用や準備など多くの負担もかけずにできそうです。これからは、フットワークの軽い活動が持続可能な活動として望まれるでしょう。全国の女性をつなぐ女性連合の役割は、これからさらに重要になっていくのではと思います。新たな形で女性連合らしい世界宣教を続けつつ、つながりを通して学び、考え、励まし、祈りあう、抑圧された人びと(私たち女性を含む)がエンパワーメント(※2)される活動をしていきたいと思いました。

もちろん財政課題が無くなったわけでもありませんが、「ひろば」でもご一緒に、これからの女性連合のビジョン(夢)を語り合い、そのワクワク感を原動力にして楽しく、実現と持続可能な活動を、考え出し合えればと思います。
さらには、「自主独立した女性連合」とはどういうことなのか。財政だけではなく、本質的・精神的な意味の「自主独立」について言葉を交わし合えればと思います。そこから私たちの「これからの女性連合」がおのずと立ち上がってくると期待しています。

※2 その人がその人らしくあり続けることができるように、自らの人生を意思決定していく力をつけていくことを励まし、サポートすること。

オープンな情報共有・しゃべり場

女性連合・私たちのひろば(オンライン)

ID : 847 3993 0412 パスコード: 697467

2023年度 第1回

5/13(土)10:00〜11:30
5/14(日)14:00〜15:30

ミーティングID:847 3993 0412
パスコード:697467

お気軽にぜひご参加ください!  『世の光』をお持ちください。

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